橋づくりへの情熱と技術力で高品質な現場施工を

尾島・境高架橋

施工場所:群馬県太田市 R17上武国道

現場代理人・主任技術者:月田 晃(PC基幹技能者)

 

R17上武国道,尾島境高架橋上部工事の詳細をお伝えします。

この工事は10径間連続PC中空床版橋,3径間連続PC箱桁橋,3径間連続PC中空床版橋の橋長451m,幅員9mとなります。

中空床版(ホロースラブ)とは下記写真のように主桁間に円筒状の筒(円筒型枠)を設置し,桁内部に空洞を確保して桁の自重が低減される構造となっております。経済性にも優れており比較的施工実績の多い形式です。

円筒型枠を挟む様に主桁鉄筋が配筋され,その鉄筋内にPC鋼材が配置されます。円筒型枠は写真で見ても大型な部材ですが内部は空洞になっていますので重量はとても軽いです。

円筒型枠設置前は下記写真の様に型枠組立から鉄筋を組立ていきます。この縦筋の内部にシースと呼ばれる鋼製のダクトを設置し,その内部にPCケーブルを挿入するのです。

こちらの中空床版施工の範囲は支柱式支保工で支えています。支保工材もこれだけの施工量となりますと膨大な数量となります。それに合わせて作業人数も増えますので危険リスクも当然増えます。送出し教育から始まり新規入場者教育,各作業における教育に重点を置き危険リスクの減少に作業員全員で取り組みました。

連続径間ですので各工種が流れるように前進をします。まずは支保工班は先行して支保工を組立て,後を追うように型枠を組立てます。型枠の次には鉄筋PC班が入ります。コンクリート打設の日取りを決め各作業を進めます。

晴天の中コンクリート打設を行いました。巣量は1回で400~500m3程打ちます。夏場のコンクリート打設は気温の上昇に伴い品質にも注意し打設を行います。型枠内部を湿らせ打設中もコンクリート表面の急激な硬化を防ぐための散水,直射日光を遮る等,材料に影響しない程度行うことが大切ですね。

同じように作業員の体調管理も重要となります。人員は多めに確保し,水分塩分補給を確実に行ってもらえる余裕を持たせなければなりません。日中は40℃を超える炎天下になりますので熱中症を防ぐ対策を入念に行いました。

 

こちらは移動式作業車(ワーゲン)での片持ち張出架設工法(カンチレバー工法)を用いた施工です。

ご覧の通り国道354BPを跨ぐ形の線形です。そのため移動式作業車(ワーゲン)も通常の形より下部のクリアランスを確保できるよう低床のものを選定しています。

これにより大型車などの通行車両が接触することもなく,尚交通規制を掛けることもなく施工することが可能となりました。

 

ワーゲン施工は2mピッチでの施工となります。ワーゲンをセットし鉄筋型枠,PCを組立てコンクリート打設を行います。

コンクリート打設後はプレストレッシング(緊張)を行い桁に反力を持たせます。その後ワーゲンを前進させ同じように鉄筋型枠,PCを組立てていきます。

こちらの工法では屋根下でのコンクリート打設になりますので,極端な悪天候以外は安定した品質のコンクリートを打設することが可能です。

技術面ではご覧の通り片持ち式での架設工法なので,重力に逆らった計算(上げ越し量)を定め,桁の線形を保つことが重要となります。

ワーゲン施工部はPC箱桁橋となります。

箱桁内部は空間になり,その空間が2部屋ある2BOXタイプの箱桁です。

 

各橋体が仕上がりますと橋面工に移ります。地覆部の打設状況です。

仕上がりと施工範囲を考慮し地覆と高欄は分けて打設を行いました。

 

このようにして橋長451mという長大橋が完成いたしました。

 

車で通りますと451mと言いましてもアッという間に過ぎてしまいますね。

我々だけでなく近隣の方々の努力・協力がありまして無事完成いたしました。

近隣住民の皆様や工事関係者の皆様にこの場をお借りしまして心より感謝申し上げます。

ご視聴ありがとうございました。

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