橋づくりへの情熱と技術力で高品質な現場施工を

東武伊勢崎線高架工事

施工場所:群馬県伊勢崎市

現場代理人・主任技術者:高橋 章(2級土木・PC基幹)

 

東武伊勢崎駅周辺の再開発の一環として東武線の高架工事が進められました。

この工事はご覧のようなU断面状のPC桁(PC単純下路式スルー桁橋)を架設桁上で現場打ち施工し,躯体をジャッキダウンして据え付けるという極めて高度な施工を行いました。

こちらは道路上であり,尚且つ側面下には営業線が通常道り走行します。

また住宅街の中に位置しますので通行車両や歩行者,学生,子供たちなど,生活の一部となる方々が多数いらっしゃる。その様な環境でこの工事が住民の方々の生活の支障にならぬようにと思い,このような高度な施工方法を選定しています。

 

まずは橋体を施工するための架設機,支保工を施工します。

上記写真では橋体は出来上がっていますが,中央緑色の横梁(ガーダー)を受け材とし,ガーダー上部に足場・支保工を組立てます。

ガーダー下両端部には油圧ジャッキ(黄色い支柱の内部)2基を配置し,橋体のジャッキダウン時に使用します。

 

ご覧の通り橋体は据付橋脚上部で製作し,降下させての据付となりますので,製作前の計画と測量,製作時の橋体の寸法は高精度のものが要求されます。

何よりも全てにおいて一発勝負であります。確認の上に確認,慎重に正確に。ミスは許されません。

 

橋体が仕上がりましたら橋体下のガーダーを横移動させ撤去,その後橋体の降下作業を開始します。文章で説明するのは理解し難い部分があると思いますがご了承ください。

この作業は交通量の少ない夜間を通行止めにして行います。まず桁下両端部にサンドル材(山留材を積み重ねた橋体受け材)を組立てます。このサンドル材にガーダー上部の橋体を預けます。

この時に先ほど説明しました油圧ジャッキを用いてジャッキダウンを行います。サンドル材に荷重移動しましたらガーダーを横方向にスライド移動しクレーンで撤去します。

ガーダー撤去完了です。続いて橋体降下です。

 

上記写真は日中に撮影した写真です。夜間ではこの写真の橋体下のサンドル材(赤い山留材)を引き抜いて橋体降下させます。

引き抜くと言っても橋体荷重をガッチリ受けていますので無理ですよね。

そこで先ほどガーダー撤去時に使用した巨大な油圧ジャッキを使います。

 

まず油圧ジャッキをアップさせて橋体荷重をジャッキに預けます。

サンドル材は荷重が抜けてフリーになりますので,上部のサンドルを撤去します。この作業は高所作業4台(片側端部に2台)を配置し,ジャッキアップ後のサンドルを作業員が撤去していきます。サンドル材は1本あたり約100㎏です。弊社の力自慢たちが集合しました。

油圧ジャッキには固定のストローク量がありますので,その範囲内のサンドルを撤去し荷重をサンドルに預け,油圧ジャッキ側の噛ませ物を抜き,ジャッキアップを行いサンドルを抜き…と言った盛替え作業を繰り返し行います。

夜間工事で大声は出せませんので各車両にリーダーを任命し,リーダーは無線機で通信会話を行います。

ジャッキ操作者と各車両リーダーと監視役がしっかりと連携を取り,一晩で橋体の降下作業は無事完了いたしました!

 

据付時はしっかり収まるのかどうなのか,一発勝負の心配はありました。

しかし寸分の狂いなくしっかり納めることができました!

 

このようにして安全かつ無事に工事を完成させることができました。

普段こちらの道路を使用される方々は数多くいらっしゃいますし,生活道路上,また近所でこの様な大掛かりな工事をすることは住民の方々にとって不満・不安が少なからずあったと思いますが,ご協力いただきありがとうございました。

工事関係者の皆様も大変な現場でしたけど,安全に良いものを納めていただきありがとうございました。

 

ご視聴ありがとうございました。

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