施工場所:埼玉県秩父市
上小川橋上部工工事についてレポートします。
こちらは上空写真です,ご覧の通り橋台の施工は完了し,これより上部工工事(PC箱桁橋)の施工となります。
河川内に支柱式支保工を組立てるための仮仕切りを行います。クレーンで大型土嚢を積み上げヤードを確保しました。
仮仕切り後は支保工組立に入ります。
河川中央部分はH鋼材を使用し河川脇に荷重を分散させる計画です。
基礎工事は地盤確保が重要です。このような河川内ですと仮仕切りを行っても地盤に多くの水分が含まれてますので,地盤調査を行い入念に転圧を掛け,上部構造物の荷重を受けても支障ない形に仕上げます。
支柱式支保工,作業足場を組立てましたら型枠を建て込んでいきます。
中央の黄色い部分が型枠材です。このような支保工が一定でない現場(ここでは支柱式支保工とH鋼鋼材を使用)では,コンクリート打設時のたわみ量が場所により変化しますので,底版型枠は一定勾配に配置はしません。打設後を考慮した高さだしをここでは行います。
型枠の後方からは鉄筋組立が追いかけます。
箱桁の縦筋(ウェブ鉄筋)と下床版鉄筋を組んでいきます。この縦筋内に鋼製シース(PC鋼より線を通すためのダクトです)を配置していきます。
鉄筋,鋼製シースはミリ単位での配置となります。土木作業と言いますと大雑把というイメージを持たれている方もいると思いますが,実際の現場作業は繊細な作業が多々あります。設計図通りの構造物を造り上げるためには高度な技術が必要となりますね。
張出部分にはブルーシートで養生を行います。
主桁(ウェブ)と下床版の打設時にコンクリートが飛散して汚れますし,型枠材は紫外線による日焼け(型枠表面塗料の劣化)をおこします。
人と同じで日焼けしますと,コンクリートの水分を型枠材が吸収してしまい,黒ずんだ艶の無い表面に仕上がってしまいます。
この現象を防ぐためにも細かな配慮が必要ですね。
コンクリート打設を行い完全防護しました。冬季(渇水期)施工ですのでシートで完全に覆い,内部は温風ヒーターを焚きます。
寒中コンクリート施工は気温低下によるコンクリートの凍害を防がなくてはいけません。内部気温が5℃以上を確保し管理します。
このようにU断面(ウェブ・下床版)打設と上床版の打設を行います。
養生期間が終えますと緊張作業を行い,桁に応力を加えます。鉄筋組立時に鋼製シースを配置しましたが,このシース内部にPC鋼より線を通し,両端部を緊張ジャッキで引っ張り合います。油圧ジャッキで適切な圧力を加えますと,主桁は両端部を残した支間内は数㎝浮き上がります。このようにして適切な応力を加えたコンクリートをプレストレストコンクリート(PC)と呼びます。
橋面では地覆施工を進めます。
桁下では解体工を進めます。完成間近ですが気は抜けませんね。
橋面工もほぼ仕上がりました。残すは高欄施工のみです。
河川内の撤去も順調に進みました。
高欄を取付けます。
完成いたしました!
工事は安全かつ順調に進みました。
地域住民の皆様も注目されていた現場でしたので,その期待に応えることができて光栄です。
工事関係者の皆様と地域住民の皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。
ご視聴ありがとうございました。
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