橋づくりへの情熱と技術力で高品質な現場施工を

八幡川橋上部工工事

施工場所:群馬県吉岡町

現場代理人・主任技術者:小板橋 春助(2級土木,PC基幹)

 

こちらの工事は関越道駒寄スマートICの増設に伴い県道161号南新井前橋線の新設工事の一環であります八幡川の橋梁架設工事です。

八幡川上部工ではPCホロースラブ橋という形式を採用しています。

参考ですが弊社が施工しました尾島・境高架橋でのPCホロースラブ橋の施工風景です。

この橋の形状は内部に円筒型枠を埋設しますので,この様な桁内に空間を作り主桁の軽量化を図っています。

 

図の赤い部分が今回施工しました橋梁部分です。斜角が60度ついています。

 

上の図は当初の計画です。河川内盛土による固形式支保工架設でありましたが,河川への影響を低減するため現地の状況を把握し架設方法の変更を検討しました。

 

八幡川の異常出水時でも通水断面を確保し,安全性の向上を図る為と,既設護岸への影響を最小限にするために仮設トラス材+ジャッキダウン工法による架設計画に変更し施工しました。

弊社では過去に伊勢崎線高架工事でジャッキダウン工法の施工実績がありますが,過去の経験を活かしつつ新たな工夫を取り入れ施工することが重要です。

伊勢崎線高架工事はPC単純下路式スルー桁をジャッキダウン工法で施工しました。

上記2枚の写真は伊勢崎線高架工事のものですが道路建築限界を確保するために上空で躯体を施工後ジャッキダウン工法で据付を行いました。今回の八幡川におきましては河川への影響を考慮してのジャッキダウン工法となります。

 

上空で躯体の施工を行います。

ジャッキダウン工法は正確な躯体を仕上げなければ据付時に大きな誤差が生じます。直下に躯体を降下させる訳ですが躯体の重量バランスや橋台の勾配など,様々な条件が重なりますので精密な解析と現場での施工,品質管理が必要となります。

 

上空での躯体製作を完成させますと仮設トラス材の撤去作業に入ります。

トラス上部に敷設したH鋼撤去状況です。上部に完成した橋体がありますので横方向にスライドさせて解体を行いました。組立時はクレーンでの据付が可能ですが撤去時はクレーンで玉掛けできる位置までスライドさせなければ撤去することができません。約300㎏の鋼材も二人で十分移動可能です。

 

こちらはトラス材の撤去状況です。上記のH鋼材同様,横にスライドさせての撤去となります。斜角60度ありますので通常の方法では横移動できません。そのため横取りジャッキに工夫を加え行い無事撤去をしました。

 

ここから橋体のジャッキダウン工法に入ります。

(橋体を支えるサンドル材のイメージ画像)

サンドル材(1本約40㎏)をボルト連結し積み重ね仮受け支柱を組立てます。補強材によりツインタワーを連結し仮受け支柱の安定性を向上させます。

このツインタワーを各橋台に2基組立てます。

 

手前と奥にツインタワーが見て取れると思います。

積み重ねたサンドル材と右写真は500tジャッキセット時

 

主桁には予めブラケットを固定するためのアンカーボルトを埋設しコンクリート打設を行っています。

ブラケット(下図の緑色の部材)を主桁に固定します。

ジャッキは500tと300tをセットに各ツインタワーに配置します。

 

降下方法は上記イメージ図のようにジャッキアップ→サンドル撤去→ジャッキダウンを繰り返し降下させます。

下のURLはイメージ動画です↓↓

https://photos.google.com/album/AF1QipMdQXmhkyHHOPitnC58BevgLDzWQq5OroU7Wmoz/photo/AF1QipNMhcTya5VXyxxWg2nncb57Q1vmRMfcxeFzruBX

 

約40㎏のサンドル材を1本づつ手作業で抜いていきます。足場は橋体底面に吊り下げ設置しました。橋体と共に下がりますので作業性が向上します。このインサートも撤去のことを想定し打設時に埋め込みます。足場上にローラーを設置しサンドル材を横に移動させ集積しました。

 

この様にローラーを配置しサンドル材を引き抜き外へ搬出,集積を繰り返します。

正確な躯体製作が功を奏して据付位置の誤差はほとんどありませんでした。

 

 

ジャッキダウン時の変位制限,及び変位の監視を山留支柱を4隅に配置して行いました。

 

下のURLはジャッキダウンの動画です。是非ご覧ください。

↓↓

photos.google.com/…/AF1QipMdQXmhkyHHOPitnC58BevgLDzWQq5OroU7Wmoz

 

予定日数よりも速いペースで解体を進められました。

弊社の力自慢たちが集いサンドル材を1本1本手作業で撤去しました。5月の後半で少し汗ばむ季節でありましたが,この時は真夏の太陽よりも輝く男たちの姿がありました!

 

こちらの工事におきましても近くで生活されている住民の方々が多数おられました。地域住民の皆様,ご協力ありがとうございました。

八幡川橋も無事すべての施工が完了し,令和3年に開通しております。工事関係者の皆様,無事完成を迎えられ感謝しております。

約30mの橋梁区間ですので60キロ走行すれば2秒で通過してしまいます。僅かな時間ではございますが皆様が安心して安全に通過できる構造物をこれからも丁寧に造ってまいります。

ご視聴ありがとうございました。

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