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大黒橋床版張替工事

栃木県日光市足尾町での床版張替工事の施工レポートです。

こちらの大黒橋ですが,名前の由来道り足尾側橋台後方には岩を削った中に大黒天様(波之利大黒天)が祀られております。

現場近くには渡良瀬橋があります。

《渡良瀬橋》

明治後期建造の頃は鉄製アーチ橋だったそうです。昭和10年にコンクリートアーチ橋に改修,橋全体の均整・出来栄えは素晴らしく,橋周辺の桜との見栄えはとても美しいですね。この鉄製アーチからコンクリートアーチへの改修工法は当時では極めて稀な改修工法であり,往時の足尾銅山の技術の優秀さが偲ばれます。現在は歩行者専用の橋となっております。私たちの工事も丁度桜の見頃の時期でして,観光に来られる方々の姿も見受けられました。

《着工前》

橋面上での劣化は地覆・伸縮部,舗装の沈下・亀裂が見受けられます。

しかし桁下下面となると至る所に床版の劣化が見受けられます。

 

大黒橋は昭和31年(1956年)に建設されております。令和4年現在で66歳となります。

写真を見ますとコンクリートの劣化(中性化),白華(エフロエッセンス),剥がれなどが至る所で見られます。

現代社会は65歳定年ですがシニアの方々もまだまだ頑張っておられます。この橋も床版を張替えリニューアルすることにより橋の寿命を長く持たせることが可能となります。

《床版撤去》

撤去は分割撤去です。予め床版をカッター切断します。ラフタークレーンの作業能力に制限がありますので,その能力範囲内での重量配分となるよう計画を立てます。

床版と主桁は密着していますので,上記写真の様にポンプアップを行い桁と床版を剥離させます。

剝離した床版をクレーンで吊上げ撤去します。

縦2m,横3mに切断・撤去しました。

 

《新設版架設》

新設版は縦2m,横6m程あります。新設床版9枚を架設しプレストレッシングを行った後,桁端部の場所打ちコンクリートを打設します。

この床版は軽量コンクリート1種を使用した道路橋RC床版取替用高強度軽量プレキャストPC床版『HSLスラブ』という株式会社IHIインフラ建設さんの特許技術によるものを使用しています。RC床版に比べて死荷重25%の重量軽減が可能です。

《完成写真》

弊社におきましては主に床版の撤去・架設工事に携りました。地覆・伸縮工・舗装工は他業者さんの施工となりましたが事故なく大黒橋のリニューアル工事も無事完了しました。

今後もこの様な老朽化したインフラ整備,橋梁補修工事が増えてまいります。弊社も当現場で得た知識と教養,経験を今後に活かしていけます様,努力し邁進してまいります。

ご視聴ありがとうございました。

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